Tailscaleで他人のVPN設定を変更できる脆弱性
TailscaleのversionCode 297862600に、権限設定の不備で他ユーザーのVPN設定を変更される脆弱性が公表されました。該当版のAndroid端末を洗い出し、修正版の有無を確認して更新してください。
急ぎ度: 早めに
CVSS v3は9.1で、認証も利用者の操作も要らない評価ですが、公表から日が浅く、修正版の有無を告知で確認する段階のため、早めの確認が妥当です。
関係があるか
TailscaleをAndroid端末に入れて社内VPNに使っている組織が対象になりえます。参照元にF-Droidの配布ページがあることから、F-Droid経由で入れたアプリは特に確認が必要です。
| 製品 | 影響を受ける版 | 修正版 |
|---|---|---|
| Tailscale(F-Droidで配布されているcom.tailscale.ipn) | versionCode 297862600 | ベンダーのセキュリティ告知で確認してください |
確かめ方
- 1端末管理ツールやアプリの一覧で、Tailscaleが入っているAndroid端末を洗い出す。
- 2各端末のTailscaleのバージョンを確認し、versionCodeが297862600かどうかを照らし合わせる。F-Droidのアプリ詳細ページの版一覧には、versionCodeが載っています。
- 3USBデバッグが使える端末なら、
adb shell dumpsys package com.tailscale.ipnの出力でversionCodeとversionNameを確認できます。 - 4Windows・macOS・Linuxなど、ほかのOS向けのクライアントが影響するかどうかは、Tailscaleのセキュリティ告知で確認してください。
何が起きたか
Tailscaleに、権限の設定が不適切なために、権限のない第三者が別のユーザーのVPN設定や環境設定を任意に変更できてしまう脆弱性が見つかりました。
分類はCWE-732(重要なリソースに対する不適切な権限の割り当て)です。2026年10月29日にCVE-2026-107060として公表され、GitHubのアドバイザリではGHSA-22cw-3xwj-68cgとしても管理されています。記録で名指しされている版はversionCode 297862600です。
設定を書き換えられると、接続先や通信の通り道が本来の意図と違う状態になるおそれがあります。ただ、具体的にどの設定項目が変更の対象になるかは、記録の文面だけでは細かく分かりません。
攻撃の流れ
-
1
対象に到達
攻撃者が、該当版のTailscaleが動く環境に接触する。
-
2
権限の不備
設定への書き込み権限が適切に制限されていない部分に触れる。
-
3
設定を変更
別ユーザーのVPN設定や環境設定が書き換えられる。
-
4
VPN構成が変わる
意図しない設定のまま、VPN経由の通信が続く。
どう悪用されるか
CVSSのベクターによると、ネットワーク経由で攻撃でき、特別な条件は要らず、認証も利用者の操作も不要という評価です。そのため、端末の持ち主に何かをさせなくても成立しうる脆弱性として扱われています。
被害は、機密性と完全性への影響がいずれも高く、可用性への影響はないとされています。つまりVPNが止まるというより、設定の内容が見られたり書き換えられたりする方向の被害です。
今すぐやること
-
1
該当端末を洗い出す
Tailscaleが入ったAndroid端末と、そのversionCodeを一覧にします。個人所有端末の持ち込みや、検証用端末も含めて確認します。
adb shell dumpsys package com.tailscale.ipn -
2
修正版を確認して更新する
Tailscaleのセキュリティ告知とGitHubのアドバイザリで、修正版の版番号を確認します。F-Droidで入れているアプリは、F-Droid側に修正版が出ているかも見たうえで更新します。
-
3
設定が変わっていないか調べる
端末側のVPN設定と、管理コンソールに表示される端末の状態を見比べ、覚えのない変更がないかを確認します。管理コンソールの監査ログを使っている組織は、設定変更の履歴も見ておくと確実です。
-
4
告知の更新を追う
公表から日が浅いため、影響する版や修正版の情報が追記される可能性があります。担当者を決めて、告知を定期的に確認します。
修正版がないあいだのつなぎ
修正版をすぐに適用できないときは、該当端末でTailscaleの利用をいったん止めるか、管理コンソールで端末をネットワークから外します。外せない端末については、アクセス制御で到達できる社内リソースを必要最小限に絞っておくと、設定を変えられた場合の影響を小さくできます。
背景
Tailscaleは、WireGuardを土台に、社内外の端末同士をつなぐメッシュ型のVPNです。端末ごとのVPN設定は、どの通信がVPNを通るか、どの相手と接続するかを決めます。設定が勝手に変わると、情報の通り道そのものが変わってしまいます。
CWE-732は、設定やリソースに付ける権限が必要以上に緩いときに付けられる分類です。Androidのアプリでは、アプリ同士やユーザー同士の境界を権限で分けているため、この種の不備は、本来触れないはずの設定に他者が触れる形で表に出ます。今回の記録では、その対象が別ユーザーのVPN設定と環境設定とされています。
よくある質問
Q.Tailscaleを使っていれば、すべての端末が影響を受けますか。
Q.管理コンソールで、すでに設定が変えられたかどうか分かりますか。
この記事は、取得元の公開情報をもとに、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。執筆と監修は佐々木 航が担い、公開したあとも人が内容を確認しています。誤りに気づいたときは直し、記事の末尾に訂正の行を残します。対応を決める前に、下の原文と参照先も確認してください。
原文の説明 取得元が公開している説明をそのまま載せています (多くは英語)。
Insecure permissions in Tailscale versionCode 297862600 allows unauthorized attackers to make arbitrary changes to another user's VPN configurations and preferences.
出典: CVE.org (CVE Program・cvelistV5) NVD GitHub Advisory
参照URL
- web cve@mitre.org
- web github.com
- web tailscale.com
- web github.com
- web nvd.nist.gov
- web f-droid.org
- web github.com