Chrome 157で脆弱性213件を修正、更新は再起動まで
Google Chrome 157の更新に、213件のセキュリティ修正が含まれています。細工されたページや拡張機能からサンドボックスの外でコードを実行されかねない脆弱性もあります。Chromeを業務で使う組織は、版を確認して更新し、再起動まで済ませてください。
同じ発表の脆弱性 7 件
急ぎ度: 早めに
EPSSはCVE-2026-121202で0.299%と低めですが、CVSS v3は7件とも9.6で、告知にはCriticalの修正も7件あります。修正版も公開済みなので、早めの更新が妥当です。
関係があるか
業務でGoogle Chromeを使っている組織が対象です。更新が止まっている端末や、再起動されないまま使われ続けている端末が当てはまります。
| 製品 | 影響を受ける版 | 修正版 |
|---|---|---|
| Google Chrome(Windows・Mac・Linux) | 157.0.8103.38より前 | 157.0.8103.38(Windows・Macは157.0.8103.38または.39) |
確かめ方
- 1Chromeのアドレス欄にchrome://versionと入力し、先頭に表示される版を確認します。157.0.8103.38未満なら更新が必要です。
- 2管理コンソールや資産管理ツールを使っている場合は、端末ごとのChromeの版を一覧で出し、基準未満の端末を洗い出します。
何が起きたか
Googleは2026年11月3日、Chrome 157をWindows・Mac・Linuxの安定版として公開しました。告知によると、この更新には213件のセキュリティ修正が含まれ、深刻度の内訳はCritical 7件、High 77件、Medium 75件、Low 54件です。
このページでは、そのうちCVEの記録でCVSS v3が9.6と評価された7件を説明します。どれもUse After Free(CWE-416)で、悪用されるとブラウザーの隔離機構であるサンドボックスの外で、任意のコードを実行される恐れがあります。
- CVE-2026-121202: Autofillのメモリ誤りで、細工されたHTMLページからコードを実行される恐れがあります
- CVE-2026-121073: Networkのメモリ誤りで、細工されたネットワーク通信からコードを実行される恐れがあります
- CVE-2026-121077: Mobileのメモリ誤りで、細工されたHTMLページからコードを実行される恐れがあります
- CVE-2026-121131: Mobileのメモリ誤りで、細工されたChrome拡張機能からコードを実行される恐れがあります
- CVE-2026-121189: Browserのメモリ誤りで、細工されたHTMLページからコードを実行される恐れがあります
- CVE-2026-121250: Extensionsのメモリ誤りで、細工されたChrome拡張機能からコードを実行される恐れがあります
- CVE-2026-121257: TabStripのメモリ誤りで、細工されたChrome拡張機能からコードを実行される恐れがあります
CVSS v3は7件とも9.6ですが、Chromiumが付けた深刻度はHigh(CVE-2026-121131、CVE-2026-121250)、Medium(CVE-2026-121202、CVE-2026-121077、CVE-2026-121257)、Low(CVE-2026-121073、CVE-2026-121189)とばらついています。告知でCriticalとされた7件は、この7件とは別です。1件ずつ選んで対応する話ではなく、157へ更新すれば213件がまとめて修正されます。
攻撃の流れ
-
1
細工物に接触
標的の利用者のChromeが、細工されたページ・拡張機能・通信のいずれかを処理します。
-
2
メモリ誤りを悪用
解放済みのメモリの再利用や範囲外書き込みが起き、Chromeの動作が乗っ取られます。
-
3
サンドボックス外
ブラウザーの隔離機構の外で、任意のコードが実行されます。
-
4
端末への影響
端末上のデータの閲覧・改ざんや、サービスの停止につながる恐れがあります。
どう悪用されるか
悪用の条件は、CVEごとに説明文の書き方が違います。いずれも遠隔の攻撃者が前提です。
- CVE-2026-121202とCVE-2026-121077: 社会工学を使って利用者を誘導し、細工されたHTMLページを開かせる
- CVE-2026-121131とCVE-2026-121250: 社会工学を使って利用者を誘導し、細工されたChrome拡張機能を使わせる
- CVE-2026-121257: 細工されたChrome拡張機能を経由する
- CVE-2026-121189: 細工されたHTMLページを経由する
- CVE-2026-121073: 細工されたネットワーク通信を経由する
CVE-2026-121202のCVSSでは、攻撃元がネットワーク、攻撃の複雑さが低、必要な権限なし、利用者の操作が必要とされています。
悪用に成功すると、サンドボックスの外でコードを実行されます。このCVEの評価では、機密性・完全性・可用性の影響がいずれも高とされています。業務でChromeにログインしたままのSaaSや、社内システムの情報が置かれた端末では、被害が端末の外へ広がる余地があります。
今すぐやること
-
1
Chromeを修正版に更新する
157.0.8103.38以降に更新します。更新後はChromeを再起動してください。
-
2
更新後の版を確認する
chrome://versionで版を確認します。Linuxでは、端末から次のコマンドでも確認できます。
google-chrome --version -
3
管理下の端末へ配布状況を確かめる
更新の配布設定が止まっていないか、長期間再起動されていない端末がないかを、管理コンソールや資産管理ツールで見ます。未更新の端末は、利用者に再起動を案内します。
-
4
ベンダーの告知で詳細を確かめる
Chrome Releasesの告知に、213件の修正の一覧があります。Criticalの7件を含む、このページにない修正の内容はそこで確認できます。
すぐ更新できないとき
修正版を当てられない端末では、つなぎとして、見知らぬサイトや不審なリンクを開かないようにします。出どころの分からないChrome拡張機能は入れず、入っているものも不要なら外してください。このページの7件のうち3件は、拡張機能を経由するとされています。Chrome自体を更新するまで、この措置は一時しのぎにとどまります。
背景
Chromeは、多くの企業でSaaS・社内Webシステム・メールの画面を開く入口になっています。端末に最も長く開かれているソフトの一つなので、ブラウザー内で起きたコード実行は、保存されたログイン情報や業務データの近くで起きます。そのためChromeは、ページの処理をサンドボックスの中に閉じ込める設計にしています。このページの7件は、いずれもその「外」でコードが動く恐れがあるとされるものです。
7件は、使い終わったメモリを再び参照してしまうUse After Freeです。ブラウザーのように大量のメモリ操作を行う、C++などで書かれたソフトでは、この型の誤りが繰り返し見つかります。今回は、Autofill・Network・Browser・Extensions・TabStripなど、別々の機能に分散しています。1か所の修正で済む話ではなく、版を上げて一括で修正する形です。
よくある質問
Q.Chromeは自動更新のはずですが、手作業は要りますか。
Q.EdgeなどChromiumを使う他のブラウザーも対象ですか。
2026年11月6日 訂正:題と本文を修正しました。「脆弱性8件」としていましたが、Chrome 157の告知の修正は213件です。10月の告知の修正であるCVE-2026-120931も、このページから外しました。
この記事は、取得元の公開情報をもとに、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。執筆と監修は佐々木 航が担い、公開したあとも人が内容を確認しています。誤りに気づいたときは直し、記事の末尾に訂正の行を残します。対応を決める前に、下の原文と参照先も確認してください。
影響パッケージ
| 種類 | パッケージ | 影響を受ける版 | 修正版 |
|---|---|---|---|
| Chrome |
157.0.8103.38 以上 157.0.8103.38 未満 |
157.0.8103.38 |
ディストリビューション別の修正状況
各ディストリビューションが公開している、この CVE の修正パッケージ修正版は配布版ごとに違うので、リンク先で確かめてください。
- Debian DEBIAN-CVE-2026-121202 chromium
原文の説明 取得元が公開している説明をそのまま載せています (多くは英語)。
Use after free in Autofill in Google Chrome prior to 157.0.8103.38 allowed a remote attacker leveraging social engineering to potentially execute arbitrary code outside the sandbox via a crafted HTML page. (Chromium security severity: Medium)
出典: CVE.org (CVE Program・cvelistV5) NVD GitHub Advisory
参照URL
- advisory Chrome Releases「Stable Channel Update for Desktop」(2026年11月3日)
- patch chrome-cve-admin@google.com
- patch chrome-cve-admin@google.com
- REDHAT Red Hat
- web nvd.nist.gov
- web github.com