Linksys WRT54GLにコマンド実行の脆弱性、修正版なし
Linksys WRT54GLの診断機能に、ルーター上で任意のコマンドを実行される脆弱性があり、攻撃コードも公開されています。サポート終了製品で修正版は見込めないため、WAN側からの管理を閉じたうえで、入れ替えを計画してください。
同じ発表の脆弱性 2 件
- CVE-2026-121930 重大 9.1
- CVE-2026-121931 重大 9.1
急ぎ度: 早めに
攻撃コードが公開され、サポート終了のため修正版も望めない一方、悪用には管理者権限が要るので、CVSS v3は9.1でも至急ではなく早めの対応と見ています。
関係があるか
WRT54GLを拠点・店舗・在宅勤務先などで使い続けている組織が対象です。管理画面をインターネット側に開いている環境は、とくに優先して見直す必要があります。
| 製品 | 影響を受ける版 | 修正版 |
|---|---|---|
| Linksys WRT54GL | 4.30.18 | なし(サポート終了のため修正版は提供されません) |
確かめ方
- 1資産台帳やネットワーク図で、WRT54GLが残っている拠点・店舗・個人宅を洗い出します。台帳に載っていない設置もあり得るので、現地担当者への聞き取りも併せて行います。
- 2ルーターの管理画面にログインし、ファームウェアの版が4.30.18かを確認します。ほかの版への影響はLinksysの告知で確認してください。
- 3管理画面にWAN側(インターネット側)からアクセスできる設定になっていないかを確認します。リモート管理の設定項目を見てください。
何が起きたか
Linksys WRT54GLの管理画面にあるPing診断の機能に、ルーターのOS上で任意のコマンドを実行されてしまう脆弱性が見つかりました。
問題があるのは、apply.cgiの中でsystem関数を呼ぶ処理です。Ping診断で入力するping_ipの値が適切に扱われず、入力した文字列がOSへの命令の一部として解釈されます。分類はOSコマンドインジェクションで、CWEはCWE-78とCWE-77です。2026年11月4日に公表されました。
攻撃コードはすでに公開されています。脆弱性の報告者が早い段階でLinksysに連絡しましたが、返答はなかったとのことです。この脆弱性はメンテナンスが終了した製品にのみ影響し、修正版が出る見通しは立っていません。
攻撃の流れ
-
1
管理画面に到達
管理者としてWRT54GLの管理画面にログインできる状態になります。
-
2
診断機能に入力
Ping診断のping_ipに、細工した値を送ります。
-
3
OSが実行
入力がコマンドとして解釈され、ルーター上で実行されます。
-
4
ルーターを掌握
設定の書き換えや通信の盗み見、踏み台化につながるおそれがあります。
どう悪用されるか
攻撃はネットワーク経由で仕掛けられ、複雑な条件や利用者の操作は要りません。ただし、CVSSのベクターでは高い権限が必要とされています。つまり、管理画面に管理者として入れることが前提です。
管理画面がインターネット側に開いていて、管理者パスワードが初期値のままだったり推測されやすかったりすると、前提を満たされやすくなります。LAN内の端末が乗っ取られた場合や、管理者の認証情報が漏れた場合も同じです。
成功すると、ルーター上で攻撃者が選んだコマンドが動きます。機密性・完全性・可用性のすべてに高い影響があると評価されており、ルーターの設定改ざん、通過する通信の閲覧、ほかの機器への攻撃の踏み台といった被害が想定されます。
今すぐやること
-
1
使っている機器を洗い出す
WRT54GLが社内外のどこに残っているかを確認し、ファームウェアの版を記録します。
-
2
WAN側からの管理を閉じる
インターネット側から管理画面に入れる設定を無効にします。管理は有線LANの端末からだけに絞るのが望ましい構成です。
-
3
管理者パスワードを見直す
初期値や使い回しのパスワードを、ほかで使っていない長いものに変更します。悪用の前提が管理者権限なので、この段階で入口を狭められます。
-
4
設定に不審な変更がないか見る
WAN側に管理画面を開いていた機器は、DNSの指定やポート転送に覚えのない変更がないかを確認します。見つかった場合は初期化し、設定をやり直してください。
-
5
入れ替えを計画する
修正版が出ない以上、根本的な対処は機器の入れ替えです。サポートが続いている製品を選び、移行の時期を決めます。Linksysの告知も併せて確認してください。
修正版がないあいだのつなぎ
入れ替えまでのつなぎとして、WAN側からの管理画面アクセスを無効にし、管理者パスワードを変更します。管理画面を開く端末は、信頼できる有線LAN上のものに限ります。ゲスト用のWi-Fiなど、管理者以外が使う経路から管理画面に届かないかも確かめてください。これらは悪用の入口を狭めるだけで、脆弱性そのものは残ります。
背景
WRT54GLは、Linuxをベースにしたファームウェアで知られるLinksysの小型ルーターです。OpenWrtやDD-WRTといったサードパーティ製ファームウェアの定番機種でもあり、販売終了後も小規模な事務所や店舗、自宅で使われ続けている例が少なくありません。設置したまま台帳から漏れている機器があり得る点が、この製品の厄介なところです。
Pingやtracerouteなどの診断画面は、利用者が入れたホスト名をそのままOSのコマンドに渡す作りになりやすく、ルーターやネットワーク機器でコマンドインジェクションが見つかりやすい場所です。今回の問題もPing診断のping_ipが入口で、サポート終了機器のため、公開された攻撃コードに対しても製品側での防御が期待できません。
よくある質問
Q.管理者パスワードを変えれば、この脆弱性は防げますか。
Q.入れ替えた古いWRT54GLはどう処分すればよいですか。
まだ分かっていないこと
- 影響が確認されているのは4.30.18だけです。ほかの版が同じ問題を抱えているかは、Linksysから返答がないため確認できていません。
この記事は、取得元の公開情報をもとに、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。執筆と監修は佐々木 航が担い、公開したあとも人が内容を確認しています。誤りに気づいたときは直し、記事の末尾に訂正の行を残します。対応を決める前に、下の原文と参照先も確認してください。
原文の説明 取得元が公開している説明をそのまま載せています (多くは英語)。
A weakness has been identified in Linksys WRT54GL 4.30.18. The affected element is the function system of the file apply.cgi of the component Ping Diagnostic. This manipulation of the argument ping_ip causes os command injection. The attack can be initiated remotely. The exploit has been made available to the public and could be used for attacks. The vendor was contacted early about this disclosure but did not respond in any way. This vulnerability only affects products that are no longer supported by the maintainer.
出典: CVE.org (CVE Program・cvelistV5) NVD GitHub Advisory
参照URL
- web vuldb.com
- web vuldb.com
- web vuldb.com
- web vuldb.com
- web github.com
- web cna@vuldb.com
- web nvd.nist.gov
- web linksys.com
- web github.com