RouterOSのbtestに脆弱性、悪用確認済みで修正版あり
認証なしでカーネルメモリの一部が漏れ、機器が再起動する脆弱性が、MikroTikのRouterOSのbtestで見つかり、悪用も確認されています。RouterOS機器を洗い出して修正版へ更新し、btestが外部から届かないかも確認してください。
急ぎ度: 至急
KEVに載って実際の攻撃での悪用が確認されており、CVSS v3は8.2、認証なしでネットワークから届き、修正版も出ているためです。
関係があるか
RouterOSを動かすMikroTik製のルーターや仮想環境を、拠点・店舗・小規模オフィス・回線事業者の設備などで使っている組織が対象です。btestが外部やほかの拠点から届く設定の機器は、とくに優先度が高くなります。
| 製品 | 影響を受ける版 | 修正版 |
|---|---|---|
| RouterOS 6系(Long-term) | 6.49.21より前の版が対象とみられます。正確な範囲はMikroTikの告知で確認してください | 6.49.21 |
| RouterOS 7系(Long-term) | 7.23.4より前の版が対象とみられます。正確な範囲はMikroTikの告知で確認してください | 7.23.4 |
| RouterOS 7系(Stable) | 7.24.2より前の版が対象とみられます。正確な範囲はMikroTikの告知で確認してください | 7.24.2 |
確かめ方
- 1管理しているネットワーク機器の一覧から、RouterOSで動くMikroTik製品を洗い出します。構成管理表に載っていない拠点機器や、委託先が設置した機器も含めます。
- 2各機器にログインし、
/system resource printで動作中の版を確認して、上の修正版と比べます。 - 3
/tool bandwidth-server printでbtestのサーバー機能が有効かを確認します。有効な機器は、外部のネットワークから届くかをファイアウォールの設定とあわせて調べます。
何が起きたか
MikroTikのRouterOSに組み込まれた帯域測定機能btestに、機器のメモリの一部が読まれ、さらに機器が再起動してしまう脆弱性があります。2026年9月5日に公表され、MikroTikは同じころに修正版を出しています。
実際の攻撃で悪用されたことが確認されています。
btestでは、本来の接続(主セッション)の認証が終わる前に、それに付随する接続が受け付けられてしまいます。この状態でIPv4のUDPテストを始められます。テストのパケットに初期化されていないカーネルのバッファの末尾が混ざり、機器の内部メモリの断片が送り出されます。
もう一つの問題は、パケットサイズの指定範囲が検査されないことです。整数のアンダーフローが起きて、異常に大きな断片化パケットが生成され、カーネルが再起動することがあります。
攻撃の流れ
-
1
btestに到達
btestのサービスに通信が届くRouterOS機器を探します。
-
2
認証前に接続
主セッションの認証が終わる前に、付随する接続が受け付けられます。
-
3
メモリが漏れる
UDPテストの出力に、カーネルのバッファの未初期化部分が混ざって送られます。
-
4
機器が再起動
サイズ指定の検査不足で異常な出力が生じ、カーネルが再起動して通信が止まります。
どう悪用されるか
認証は要りません。ネットワーク経由で、btestのサービスに通信が届けば成立し、機器の管理者や利用者の操作も必要ありません。インターネットに面した機器のほか、社内や拠点間のネットワークからbtestに届く機器も条件を満たします。
被害は2つです。1つは、カーネルのパケットバッファにあった内部メモリの断片が読まれることで、機密性への影響は限定的と評価されています。もう1つは機器の再起動で、こちらの影響が大きく、繰り返されると拠点の回線や、その機器が担う通信が途切れ続けます。
今すぐやること
-
1
動作中の版を確認する
RouterOS機器を洗い出し、版を確認します。修正版より前の版なら、更新の対象です。
/system resource print -
2
修正版へ更新する
6系は6.49.21、7系のLong-termは7.23.4、Stableは7.24.2へ更新します。更新には再起動が伴うため、通信への影響が小さい時間帯を選び、設定のバックアップを取ってから作業します。対象の版の範囲は、MikroTikの告知であわせて確認してください。
-
3
期限が過ぎていることを踏まえて対処する
米国の政府機関に求められた対応期限は、2026年9月13日でした。未適用の機器は今すぐ更新してください。あわせて、侵害の跡がないかも調べます。原因の分からない再起動の履歴、btestへの見覚えのない接続、設定の変更を、ログと機器の稼働時間から確認します。
-
4
btestの公開範囲を絞る
btestを使っていない機器では、サーバー機能が有効なままになっていないかを確認します。使う機器では、測定に必要な相手だけが届くようにファイアウォールで制限します。公式の緩和策は、MikroTikの告知で確認してください。
/tool bandwidth-server print
すぐ更新できないとき
すぐに更新できない機器は、btestが不要なら無効にし、必要なら信頼できる送信元のIPアドレスからしか届かないようにファイアウォールで制限します。更新までのつなぎであり、対処が済んだことにはなりません。公式の緩和策の内容は、MikroTikの告知であわせて確認してください。
背景
btestはRouterOSに組み込まれた帯域測定機能で、拠点間の回線速度を測るときなどに使われます。測定の相手から届く必要があるため、外部や別の拠点に開いたままにしている設定も少なくありません。RouterOSの機器は支店・店舗・小規模オフィスのルーターとして、台数が多く分散して置かれがちで、ネットワーク管理者の手元で版が把握しにくい機器です。
今回の脆弱性は、認証が終わる前に付随する接続を受け付けてしまう、認証の欠落にあたります。KEVの記録では、btestでカーネルメモリが漏れる問題と、サービス拒否の問題がまとめて扱われています。6系と7系の両方に修正版が出ているため、古い系統の機器でも更新する手段があります。
よくある質問
Q.ルーターを乗っ取られたり、設定を盗まれたりしますか。
まだ分かっていないこと
- ランサムウェア攻撃で使われたかどうかは、KEVの記録でも分かっていません。
この記事は、取得元の公開情報をもとに、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。執筆と監修は佐々木 航が担い、公開したあとも人が内容を確認しています。誤りに気づいたときは直し、記事の末尾に訂正の行を残します。対応を決める前に、下の原文と参照先も確認してください。
原文の説明 取得元が公開している説明をそのまま載せています (多くは英語)。
RouterOS accepts a "related" btest connection before the corresponding primary session has completed authentication. An unauthenticated client can use this state to start an IPv4 UDP test. With "random-data=false", the sender transmits an uninitialized tail from a kernel packet buffer. A separate unchecked, inverted packet-size interval causes unsigned integer underflow, anomalously large fragmented output, and can restart the RouterOS kernel.
This issue was fixed in versions: 6.49.21 (Long-term), 7.23.4 (Long-term) and 7.24.2 (Stable)
出典: NIST National Vulnerability Database NVD GitHub Advisory CISA KEV
参照URL
- advisory cvd@cert.pl
- exploit cvd@cert.pl
- patch cvd@cert.pl
- web cert.pl
- web forum.mikrotik.com
- web forum.mikrotik.com
- web forum.mikrotik.com
- web nvd.nist.gov
- web cisa.gov
- web cert.pl
- web mikrotik.com
- web npratley.net
- web github.com