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重大 9.1 急ぎ度: 計画的に

distributed-workloadsのCI脆弱性、修正済み

Red Hatが管理するGitHubリポジトリのワークフローに、CI用の秘密情報を外部へ持ち出される脆弱性がありましたが、ワークフローの削除で対処済みです。利用者が更新を当てる話ではなく、自社のGitHub Actionsに同じ構成がないかを点検してください。

CVE-2026-83493 公開 更新 執筆・監修: 佐々木 航 人が監修しながらAIを活用して執筆
画像は生成 AI で作成したイメージです

急ぎ度: 計画的に

CVSS v3は9.1ですが、Red Hatは影響度をModerateとし、問題のワークフローは削除済みで、利用者側で当てる更新もないためです。

関係があるか

影響を受けたのはRed Hat側のGitHubリポジトリで、OpenShift AIを使うだけの組織が直接被害を受ける話ではありません。実際に点検が要るのは、自社のリポジトリで同じ種類のワークフローを動かしている組織です。

製品影響を受ける版修正版
red-hat-data-services/distributed-workloads リポジトリ(Red Hat OpenShift AI(RHOAI)に関わる) 版の指定はありません。問題はリポジトリ内のpull_request_targetワークフローにありました。 版を上げる形の修正版はなく、Red Hatがワークフローを削除し、SNYK_TOKENを取り除いて対処しています。

確かめ方

  1. 1OpenShift AIを使っている場合は、Red HatのCVE情報と、そこから参照されているBugzillaの記録で、自社の製品や版への影響の有無を確認します。
  2. 2自社のリポジトリの .github/workflows で、pull_request_targetを使うワークフローを洗い出します。
  3. 3見つかったワークフローが、プルリクエスト作成者のコードを取得・実行していないか、シークレットや書き込み権限のあるトークンを参照していないかを読んで確認します。
  4. 4外部のアクションを、タグやブランチ名(@masterなど)で参照していないかも見ます。

何が起きたか

Red Hat OpenShift AIに関わるGitHubリポジトリで、外部から送られた変更提案(プルリクエスト)をきっかけに、CI用の秘密情報が持ち出されるおそれがありました。

問題があったのは、red-hat-data-services/distributed-workloadsリポジトリのpull_request_targetワークフローです。このワークフローは、プルリクエスト作成者のコードという信頼できない入力を扱いながら、元のリポジトリが持つSNYK_TOKENなどのシークレットと、標準で付く書き込み用トークンが使える状態で動いていました。CWEはCWE-829です。

もう一つの背景として、アクションをタグやブランチ名で参照していました。サードパーティのsnyk/actions/setup@masterも含まれており、参照先が後から書き換わりうる構成でした。

悪用されると、Snyk連携への不正なアクセスや、リポジトリの制御を奪われるおそれがありました。Red Hatは、問題のワークフローの削除とSNYK_TOKENの除去で対処済みとしています。

攻撃の流れ

  1. 1

    細工したPRを送付

    攻撃者が、悪意のある内容を含むプルリクエストをリポジトリに送ります。

  2. 2

    ワークフローが起動

    pull_request_targetのワークフローが、作成者のコードを扱いながら元リポジトリの権限で動きます。

  3. 3

    秘密情報の持ち出し

    SNYK_TOKENや書き込み用トークンが外部へ送られます。

  4. 4

    不正アクセス

    Snyk連携への不正アクセスや、リポジトリの制御を奪われるおそれが生じます。

公開されている情報をもとにした流れの例です。

どう悪用されるか

CVSSのベクトルでは、ネットワーク経由で、攻撃の複雑さは低く、事前の権限も利用者の操作も要らないとされています。攻撃者がやることは、細工したプルリクエストを送ることです。

被害は、機密性と完全性への高い影響として評価されています。持ち出されるのはSNYK_TOKENのようなシークレットと書き込み用トークンで、可用性への影響はありません。Red Hat自身の評価はModerateで、NVD側のCVSS v3 9.1より低くなっています。

今すぐやること

  1. 1

    Red Hatの情報で自社の利用状況を確認する

    OpenShift AIを使っている場合は、Red HatのCVE情報とBugzillaの記録で、製品への影響の有無を確認します。リポジトリ側で対処済みなので、利用者が更新を当てる必要は示されていません。

  2. 2

    自社のワークフローを点検する

    pull_request_targetを使うファイルを洗い出し、プルリクエストのコードを扱う処理と、シークレットを使う処理が同じジョブにないかを確認します。

    grep -rn "pull_request_target" .github/workflows
  3. 3

    構成を見直す

    外部のコードを扱うジョブにはシークレットを渡さず、トークンの権限は必要最小限にします。外部アクションはタグやブランチ名ではなく、コミットのSHAで固定します。

  4. 4

    疑わしい場合はシークレットを入れ替える

    同じ構成で外部からのプルリクエストを受けていた場合は、関係するトークンを再発行し、実行履歴に不審な点がないかを確認します。

すぐ更新できないとき

本件についてRed Hatは、回避策は提供されていないとしています。自社のリポジトリで同じ構成が見つかり、すぐに直せない場合のつなぎとしては、該当ワークフローを一時的に無効化し、関係するシークレットを再発行します。

背景

pull_request_targetは、プルリクエストの作成元ではなく、元のリポジトリの権限とシークレットで動くGitHub Actionsのトリガーです。ラベル付けやコメント投稿のような処理に向く一方、作成者のコードを取得して実行すると、外部の人が書いたコードにシークレットを渡すのと同じ状態になります。CWE-829が示す「管理の外にある機能の取り込み」は、この構成の典型的な落とし穴です。

今回のリポジトリでは、Snyk連携用のSNYK_TOKENがこの経路にありました。Snykは依存パッケージなどの脆弱性を調べるサービスで、そのトークンはCIから呼び出す認証情報にあたります。さらにアクションを@masterのような可変の参照で呼んでいたため、参照先が書き換わった場合の影響も同じ記録で指摘されています。

よくある質問

Q.CVSSは9.1なのに、なぜRed HatはModerateと評価しているのですか。
A.Red Hatは、スコアや影響度は自社製品への影響を基準に付けていると説明しています。複数の組織が配布するソフトウェアでは、ベンダーごとに値が違うことがあります。本件ではワークフローの削除で対処済みという事情も、評価の差に関係しているとみられます。
Q.Snykを使っている自社のトークンも危ないのでしょうか。
A.記録されているのは、Red Hat側リポジトリのSNYK_TOKENの話です。自社のトークンが危ういかどうかは、自社のワークフローが同じ構成になっているかで決まります。

まだ分かっていないこと

  • 実際に悪用されたか、秘密情報が外部へ持ち出されたかは公表されていません。
  • 影響を受けた版と修正版の版番号は示されていません。

この記事は、取得元の公開情報をもとに、人が監修しながらAIを活用して執筆しています。執筆と監修は佐々木 航が担い、公開したあとも人が内容を確認しています。誤りに気づいたときは直し、記事の末尾に訂正の行を残します。対応を決める前に、下の原文と参照先も確認してください。

原文の説明 取得元が公開している説明をそのまま載せています (多くは英語)。

A flaw was found in distributed-workloads. A remote attacker could exploit a vulnerability in the pull_request_target workflow by submitting a specially crafted pull request. This workflow processes untrusted code from the pull request author while operating with the base repository's sensitive secrets, such as the SNYK_TOKEN, and its default write token. Consequently, an attacker could exfiltrate these secrets, leading to unauthorized access to the Snyk integration and potential control over the repository.

出典: CVE.org (CVE Program・cvelistV5) NVD GitHub Advisory

参照URL

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